回らない寿司屋

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昔、回らない寿司屋しかなかった頃、お寿司屋さんは大人の所作を学ぶ場所だったなあと思い出しています。

 

その頃デパートに一張羅を着て行って、レストラン街の寿司屋で家族で寿司を食うが、最高の贅沢でした。

 

ウニを頼むと親が半分冗談で、半分本気で悲鳴を上げたのが面白かった。

 

大将を捕まえて注文しないといけないので、周囲の大人との駆け引きもありました。小さい声で言っても聞いてくれない。あまり連続で頼んでも、周囲に申し訳ない。周囲の大人は頼まないかなー?と確認して、大将が自分の近くに来たときに、さっと頼む。今思うと結構骨折れる食事ですが。

 

だけど、寿司を立派に自分で頼んで食べたという、何か不思議な社会勉強的な部分もあって、親のお会計(半分冗談、半分悲鳴)が終って暖簾をくぐる時、なぜだか一段大人になったような気分になっていました。その延長線上の大人には、なれなかったけれど。

 

現在我が子は回る寿司が大好き。行く頻度も高く、すっかりカジュアルな食べ物に。ラーメン、カレー、寿司と並んでいる感じです。

 

回転ずしも美味しいです。だけど、回らない寿司で子供に「何でも好きなの食べてもいいよ」と言える、お手拭きで手を拭きながら、「ここまで来た」と噛みしめるような、そんな大人の楽しみ方に、思いを馳せたりもします。

 

Eテレの『シャキーン!』で、未来人が普通のTシャツのことを「首だしTシャツ」普通のハンカチを「折り畳みハンカチ」といったり、それまでの物の他に新しいバリエーションが出たため、旧来のものに名前が付けなおされている未来が描かれるコーナーがあるんですが、「回らない寿司」もまさにそうですね。

 

(ちなみに寿司屋の風景は薄い記憶で描いているので、いろいろ嘘です)