日本科学未来館の「未来逆算思考」展示がすごかった

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自分達の親世代は年をとり、そろそろ人生の大団円。自分達の子供世代は、「今より時代は悪くなる」というペーソスの下、育っている。

 

自分が子供の頃は、21世紀は明るい科学の時代だと思っていた。希望もいっぱいだった。それが、想像とちょっと違う未来に行きついている。だから、「今より時代は悪くなる」も、ズレるといいなと思う。

 

三連休、家族で東京のお台場に旅行してきた。念願の、日本科学未来館を見て来た。そこで、「未来逆算思考」という展示を見た。

www.miraikan.jst.go.jp

 

50年後の未来は、漫画『AKIRA』のような、あるいは松本零士の漫画に出てきそうな、荒廃した未来。

 

水は奪い合い。魚は口にできない。芸術は死に絶え、言語は多様性を失い、エネルギーは枯渇し(だったか)、ありとあらゆる問題が先送りにされ、「今が良ければよい」と先祖(私たち)が深く解決策を講じないまま時間が過ぎた結果、50年後の未来は、荒廃してしまった。

 

ありそうすぎて。

 

50年後の子孫が、手紙を書いている。50年前のご先祖に、つまり私たちに。50年前なら、まだ間に合うかもしれない。どうか「未来逆算思考」で、この世界を変えて欲しいと。

 

展示はゲーム式になっており、自分で50年後に届けたいものを選び、ハンコで台紙にぐっと押す。そしてそれをタッチパネルで送る。上手く50年後まで送れるとは限らない。途中でついえた場合、どういう理由でついえたか、表示される。それもあり得すぎて。

 

寿司大好きな娘は、「お魚さんをとどげるの。」と言い、それを選択。しかし万一届けられなかった場合のプレッシャーで、ゲーム参加を断念。

 

ゲーム結果がタッチパネルに表示されている。子孫からの手紙という体を取っている。それが各プレイヤーに届いている。50年後に届けられたプレーヤーには、感謝の手紙と、いかにそれが50年後人々を幸福にしているか、書かれている。

 

50年後まで届かなかったプレイヤーにも手紙が届いている。未来まで届かなかったが、がんばって届けようとしてくれたことに、感謝が記されている。

 

まさにこのゲームの途中なんだなあと思えて、すごい展示だなあと圧倒された。

 

そして娘は、ゲーム結果のタッチパネルを何度もめくり、大好きなお魚が50年後にほとんど継承されていないことに、「おしゃかなさん…」とへうっと泣いてしまった。

 

今も時々思い出し、「つらい展示だったなあ」と表情を濁らせている。だけど、子供に見せるのに、苦くつらい展示だけど、いい展示だなあと思った。もちろん今大人の自分にも。