エビス様とミルク神とナマハゲは、みな青い海の~向こうからやって来た 

最近七福神に急にはまり、本を読んだりしています。

 

元々七という数字に意味があって、歴代色々な神様が七福神に入れられたり、脱退したりしていたようです。吉祥天が七福神にいた事もあったとか。

 

中国、インド出身の高名なお坊さんや神様が、形を変えたり、融合したりしつつ、幕の内弁当のようにメンバーに加わっている七福神。生粋の日本出身は恵比寿様だけなのだそうです。

 

そもそも漁業の神様だった恵比寿様。その昔、海辺に漂流するいい物は「えびす」と呼ぶ風習があったとかで(想像するに『プレゼント』みたいな意味合いだったんじゃないかな…)、そこからヒルコ神(水に流されたので、いずれ海辺に漂着するだろうという発想で)と結びついたり、漁村の先祖崇拝と結びついたり、ざっくりですが、そんな話を読んでいます。

 

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この本を現在読んでいます。まだまだ最初の恵比寿様の部分ですが。ムー的な内容か?と思いきや、歴史の話が丹念に描かれていて、オカルト要素はゼロです。ああ、こういう風に民間信仰の神様って形を変えて時代に寄り添わされて行くんだなあというのが分かり、面白いです。

 

農村地域では、歴代土地を引き継ぎ、周期的な暮らしを繰り返すことこそ生きる知恵。そこには先祖崇拝が良くマッチする。…だけれども、自然相手ではなく、人の中で揉みくちゃになりながら、一夜にして財を失ったり、財をなしたりする不安定な商人の世界では、先人を崇拝し、その知恵を継承して行くだけでは、少々危うい。そこに商売の神様として、色々なご利益のある七福神が迎え入れられたのではないか、というように上記の本で読み取りました。

 

大黒様、布袋様はサンタクロースを彷彿とする袋を持ったり、打ち出の小づちをもっていたり、米俵に乗ったりしています。が、大黒様、布袋様と並んで福の神の一人である恵比寿様の持ち物には、袋がありません。釣り竿と、鯛が持ち物。漁網ではなく、一匹一匹釣るための釣り竿を持つのは、身の丈分のお金を象徴しているのだという方もいて、それが唯一七福神の中で日本出身の恵比寿様がそう、というのが、何とも面白いなあと。

 

昔大学で宗教学を学んだ時、日本にはなぜキリスト教が言うほど定着しなかったんでしょうね、というレポートのお題をもらいました。…とはいっても、清貧て日本の美徳にありますよね。恵比寿様じゃないけれど、「身の丈のお金」「かさ地蔵のおじいさんのように、貧しくても清い心が最終的に福を呼ぶ」「おむすびころりんの隣の爺さんのように、強欲は身を亡ぼす」って、昔話のセオリーのような…。

 

どうやってそういった道徳を築いて行ったんだろう。仏教の影響があるのかな…。(無知の癖にデリケートな問題を書いていて、すみません)

 

さて、海の向こうには理想郷があって、海から流れ着くものは良いものだ、という考え方。恵比寿様の話を読む前に、どこかで聞いたような…。

 

沖縄のニライカナイ信仰って、そういうもの…で合ってますか?日本にしても、沖縄にしても、島国で四方八方海に囲まれていることが、そういう信仰の土台になるのでしょうか。

 

さらに沖縄には、ミルク(弥勒)が海からやって来ると言う信仰もあります。ミルクムナリって曲、沖縄以外の地域でも、運動会やイベントのエイサー(というか琉球国祭太鼓というか)でやった方もいるんじゃないかな…。私も踊りました、NYで(笑)。←沖縄県人会っていうのがあるんですよ。

 

沖縄には先祖崇拝(長男が仏壇を引き継ぎ、漢字の名前も一文字引き継いでいたりします)も、外からやって来る神様(ミルク)も、かまどの神様(ヒヌカン)もあり、神様がたくさんです。

 

乱暴ですが、先祖崇拝があり、漁業の神様として恵比寿様がまつられ、商業の神様としても引っ張られ、さらに異国出身の神様たちと、宝船(海からいいものが流れ着く)に盛り込まれ、人の不安に寄り添って、やわらかく形を変えて行く様子は、沖縄の色々な信仰がそれぞれの場所に収まって、喧嘩するでもなく成立している感じに、何か共通性があるんじゃないかな、その当時の、純粋で素朴な信仰故に混沌とした様子が、何か今の沖縄の様子から学び取れるんじゃないかな、と想像してみたりしています。

 

海の向こうには、朝鮮半島があり、中国大陸があり、台湾があり。そこから流れつくものが、「えびす」と呼ばれたりし、海の向こう信仰の正体の一つだとしたら。歴史の授業で遣隋使やら遣唐使やら冊封使やら、私などはフラットにただ習いましたが、その時、その日、天国から直に使者が来る、くらいの大フィーバーだったのかもしれませんよね…。

 

そういえばナマハゲも、来訪神ではなかろうか。そして海の近くではなかろうか…?

 

外から来るものはいい物だ。そんな考えがあったんだなあと思いながら、吹いてくる風にも意味合いがあったんだろうかと思いつつ、北風を肌に受ける今日この頃です。