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やわらかい ぱん

いつか絵本にまとめたいブログ

劇団スカッシュさんが大好きすぎる話と、どうでもいい小芝居を少々

ぼくはにょろり。

友達のトゲタをリーダーに、幼馴染のカズヤ君と、3人でyoutubeで動画を配信している。

 

ぼくたちは、中学のころから小説を書いている。youtubeでは、それぞれが書いた小説を朗読したり、劇をやってみたりしている。当然…再生数は伸びない。

 

それだけなら良かったんだけど、トゲタが中学卒業したら、youtubeで食ってくとか言い出して、1人、高校をやめてしまった。カズヤ君とぼくは高校に通ったり、バイトもしたりしながら、トゲタの部屋に通って、一緒にyoutubeをやっている。ぼくたちのチャンネルは、まだまだ弱小。それどころか、登録者のほとんどは、カズヤ君の学校の友達。

 

「再生回数が欲しいなら、ステーキ肉くって、ラーメン食って、…何か、福袋とか食玩とかすっげえ大量に買って、それからコラボ。youtuberに片っ端から声かけまくって、コラボお願いすりゃ、そっちの登録者も見てくれるかも。」

 

とカズヤ君は言った。

 

「やりたいことやるなら、まず、やれる環境を整えてだろ。チャンネル登録者数もカス、毎度動画上げても誰も見ていないのに、やりたい表現だ、何だっていったって、そんなの、部屋に閉じこもって一人で壁に向かってやっているのと変わらねえよ。」

 

だけどトゲタは首を縦に振らない。その代りぼくに話を振った。

 

「お前どう思う?にょろり。」

 

ぼくは正直、何がやりたいのか、カズヤ君やトゲタほどしっかりある訳じゃなかった。彼らみたいに、小説を書きたいとか、朗読をしたいとか、演劇をやりたいとか、そういうのはなかった。ただ、ぼくみたいなのを、彼らは仲間扱いしてくれるから、彼らが喜ぶなら、正直何でもよかったんだと思う。

 

「ぼくは…」

 

ぼくはカズヤ君とトゲタの顔を見比べた。二人ともまっすぐぼくを見ていて、返事に困った。ぼくに聞くな。そもそもぼくに意見なんかないよ。

 

「俺は、やりたいことをやりたい。言い換えると、やりたいことしかやりたくない。…だって、やりたいことに人を誘導するために、やりたくない事をするなら、それって、バイトでも一緒じゃん。やりたい事だけやろうよ、youtubeでは…。」

 

トゲタは言った。カズヤ君も、本当はトゲタに反対なわけじゃない。それがぼくには分かる。きっとトゲタにも分かっている。そう、ぼくらはそもそも、誰もトゲタに反対していない。ぼくらは、やりたいことだけ、やりたい。ぼくも、トゲタやカズヤ君がやりたいことをやる姿が見たい。

 

「やりたい事で認められなくても、やりたい事をやっている時だけは、やりたい事ができているんだよ。分かる?それ以外に、やりたい事やれている時間て、あるか?バイトだって、他のことだって、学校だって、やりたい事のために我慢して、結局それで時間とられて、義務とか責任とかいって、やりたい事が全然できなくなるのは、俺嫌なんだよ。」

 

トゲタは声を荒げた。だけど彼だって、カズヤ君に反対なわけじゃない。誰も見てくれない虚しさを感じていない訳じゃない。ぼくらは誰も、意見は食い違ってなんかいない。

 

「やりたい事だけやろうよ。人生短いんだから。やりたくない事で作戦を練って時間を潰すなんて、嫌だよ…。」

 

トゲタは誰に言うでもなく、ちょっと泣きそうな顔になって、天井を見て呟いた。ぼくもカズヤ君も、それ以上言えない。ぼくらは、それぞれ踵を返して、モニタや、台本に向かった。

 

…なんてね!?いや~~~伸びないっすね、youtube

 

www.youtube.com

 

それはそうと、劇団スカッシュさんが大好きすぎます…。ご存じない方、youtubeで検索して、ぜひ見てみてください。旅動画とか、『隙間男』シリーズとか、入りやすいのかな…。先日『さよならヒーロー』で胸を射抜かれ、『誰に乗っ取られているの?』も超集中して見てしまいました。

 

…そして、『秒速ドリーマー』!!

www.youtube.com

 

こういうコンテンツが増えるといいのになあ。