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やわらかい ぱん

いつか絵本にまとめたいブログ

仙台四郎の物語 (本の紹介)

ここしばらく本を読んでおります。「仙台四郎」という、幕末から明治にかけて、仙台に実在した「福の神」とも呼ばれた、ある知的障害のある男性のお話です。

 

障害がありつつ、福の神扱いをされた人物といえば、「仙台四郎」に限らず…たとえば福助人形のモデルになった人も、そうであったという説があります。

 

仙台四郎」はそれよりも若干現代に近い時代に生きた人らしく、写真もあり、より詳細な伝承もあるようです。

 

今読んでいる本は、丁寧に「仙台四郎」の伝承を紐解き、著者が空いたピースを自らの筆で埋めた本です。著者はだから潔く、フィクションだと認めている本なのですが、読んでみると、丹念に、真心をもって資料を、人を、伝承を、当たられたんだろうなと感じさせられます。

 

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 書かれた著者は、もともとは養護学校の先生だったそうです。福の神福の神と、胆略的に扱うのではなく、「仙台四郎」と後に呼ばれる人物が、どんな時代に生きていたのか、どんな風景の中を生きていたのか、どんな人と生きてきたのかが描かれています。子供向けに書かれているので、読みやすく、ひとつひとつのエピソードや描写に筆者の体温があり、丁寧です。

 

そして、どうして福の神になったのか、そのあたりも描写されています。それは綺麗事ではなく、裏に今でいうプロデューサー的な人がいたこと。「仙台四郎」を使ってお金もうけをする過程で、おそらくその人の手腕によって、定着した部分も大きいのだろうなと知りました。

 

福の神であるから、ないから、そんな事より、もっと深く大事なことは何であろうか。それが大事に、大事に描かれているので、どの程度事実と合致するのかは分かりませんが、ああなるほど、そういう経緯だというなら、悲しいかな、なぜ「福の神」にされたのか、合点がいく。福の神に祭り上げても、厄介者のように扱ったにしても、どちらにしても、身勝手なものなのかも知れないな、などと思いながら、読んでいます。

 

本当の幸せ者は、登場人物たちの中で、誰だったのだろう。そう思いながら、読んでいます。