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やわらかい ぱん

いつか絵本にまとめたいブログ

手相にはまり、実母の手を見る

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買った本がよくて、暇つぶしに読んでいる。手って面白い。

 

幼児の手は3本の線しかない。脳が発達するにつれ、それはつまり、経験を重ねていくにつれ、考えることが増えていくにつれ、手の皺も増えてゆく、変化してゆくという事らしい。

 

いわば、ドラえもんの未来の写真が、手相の考え方なのだろう。現段階での、人生予想図。もちろん結婚線が当たるとは限らない。生命線が当たるとは限らない。でも、ある決断をし、それにともなって生活が変わり、脳の景色が変われば、自然手相は変わる。生活が変わって、手に持つものが変われば、線は変わるだろうし、リラックスして血流が増え、手に油が出てきたら、消える線もあるだろう。

 

義母は、長い人生の中で、小悪魔的な可愛らしさを表す「金星帯」が消え、その代わり、自分の好きなことなら人並以上の力を発揮し、物欲が旺盛で、お金儲けへの執着が強く、直観力にすぐれるという、手の平を真一文字に突っ切る「マスカケ線」が出現したらしい。

 

義母はもともとお嬢さんで、家業の手伝いを兄の影、母の影で行っていたらしい。が、兄がなくなり、母がなくなり、自分がすべて背負うことになった頃、ふと手をみたら、その手相が母そっくりのマスカケ線になっていたのだという。

 

義母の母は非常に気が強かったと聞く。義母はもともとその陰にいて、「召使みたいだった」と言っていたが、いざ一国一城の主になると腹をくくったとき、母ゆずりのマスカケが出たのだろう。ちょっとそう考えると、ドラマチックだ。

 

娘の手を見る。まだ基本の3本の線しかない。にもかかわらず、もう私のものと違う。生命線と頭脳線の根元が、片手だけ離れている。これ、これもまた男勝りの相。大胆不敵な相らしい。日本人には珍しいそうだ。日本人は根元がくっついている、慎重で内向的で、ともすれば自分を低くみつもる相が多いのだという。私はその最たる相で、根元が2センチはくっつている。

 

実母の手を見る。実母は私を生んでから仕事を始め、コツコツと努力を片時も怠らず、いろいろなトラブルも何とか耐え、諦めることも辞めることもせず、最終的にはずいぶん大きなキャリアを積み上げた。もともと私と実母の手はそっくりだった。何つうか、見る人が二度見するような、細すぎて長すぎて、若干気持ち悪いくらいの手。手モデルになれば、とよく言われた(気持ち悪いともよく言われた)。母ゆずりの手だった。

 

母は家事育児を一手に担い、さらに重い荷物を持って仕事場を往復し、指がどんどん太くなって行った。最終形態の今、さぞかしがっしりと肉厚な、エネルギッシュで地に足ついた手をしているのだろうと思いきや…意外にも、私のほうがごっつかった。

 

母の掌は縦長の長方形。肉付きは扁平で薄く、指は太くなったとはいえまだまだ細く長く、指先が尖っている。

 

対して私は手の平はがっしりとした頼りがいのありそうな正方形。掌底は筋肉が発達して、お尻みたいだ。指は太くなったが、スタートが異常なので、まあ平均的なのかなと思う。そして指の先は丸い。チーカマっぽい。

 

母は知的な仕事をずっとしてきた。机に丸くなり、薄暗い部屋でずっとパソコンとにらめっこをする。あるいは本をめくる。紙の束をめくる。

 

対して私は15キロの木材を運んだり、掃除のバイトをしたり、30キロの子供を一人で抱き上げて介助したり、お風呂やプールに入れたり、とにかく手と身体を使ってきた。

 

その時その時好きに過ごした結果が、私たちの手をここまで分けたんだなあと、何だか感慨深かった。何だか自分の歩んだ時間を手が刻んでくれていた事を知り、くすぐったく、誇らしくもあった。

 

母の手の線を見せてもらうと、驚くほど薄く、形は中庸だった。別段珍しい線もなく、珍しい長さもなく、もう本当にフツウ。

 

そして、線がどれも総じて薄い。母は、そういう人だったのか。意外だった。ずいぶんがんばったんだなあ。

 

娘にはどんな皺が出てくるのだろう。どんな手の形になって行くのだろう。