やわらかい ぱん

いつか絵本にまとめたいブログ

浦沢直樹氏の『漫勉』見ると、自分も描けるんじゃないかと気持ちよく誤解する

旦那がNHKでやっている浦沢直樹氏の『漫勉』を録画。浦沢直樹氏が色々な漫画家の仕事の様子をビデオで見て、漫画家と一緒に語り合う番組です。これが面白すぎて。土曜日はずっとバックナンバーを追いかけていました。

 

最高だったのが『うしおととら』の作者、藤田和日郎さんの回。下書きどころか、ざっくりとしたアタリの段階でいきなりもうペンを握って描きはじめ、ホワイトを躊躇なくどんどん起用する描き方。いわば本番の紙で足して引いての彫塑をする描き方。

 

漫画はネームを書いて、コマ割りを書いて、アタリを書いて、下書きを書いて、ペン入れをして、消しゴムをかけて、PCで仕上げをしたり、トーンをかけたり、と、沢山縦に仕事を積み上げていくもの、と思っていた。私自身、大昔美大で油絵を描いていた頃、作品そのものより、作品のイメージを描くエスキースのほうが自分の気持ちにぴったりで、下絵、清書、の二段階すらできない人間でしたよ。氏のいきなり描き始める感じ。本番の紙の上で堂々と何度も修正する感じ。もしかして自分にも描けるのでは…と思わせてくれる映像でした。描けないんだけども。

 

あれは何を描きたいという、プラトンでいうところの美を、見えないけれど見えている状態でないと、副産物的に生まれてゆくごちゃごちゃしたマチエールに溺れて、仕事をした気になると思う。美を見失わないと言うのが超人。

 

今、伊集院光氏と、浦沢直樹氏が対談しているラジオのバックナンバーを聞いている。(日曜日の秘密基地

 

2人でキャラクターが勝手に動き出す状態を語っていた。伊集院氏は談志師匠が落語の人物にアドリブでセリフやリアクションを付加したことを話し、それによって人物描写が深くなるけれど、いったいそれはどこから来るんだろうと怖くもあったと語っていて、また面白かった。

 

最近自分で気づいたのだけど、キャラクターが4人集まると、勝手に会話が進行するのを発見した。2人でもダメ、3人でも何だかダメ。だけど4人集まってラジオのようにお題を渡すと、脳みそは一人分なのに、わーっと会話になっていった事があって、不思議で面白かった。ただこれ、自分は面白いけれど、お客さんも面白いのかどうかは分からない。

 

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『漫勉』を見ていると、猛烈に漫画を描きたくなる。少しでも絵心があれば、もうこれは絶対刺激される。かくいう私も、「うわ~~漫画描きたい」と思うものの、残念ながら、自分には物語を作る才能がない。私も描きたいなあ。漫画。